税金

【FP解説】所得税と住民税の違いは??押さえておきたいポイントはこれ!

 

こんにちは、FPブロガーのムツヲです。

 

企業に勤めている方は、給与から天引きされている「所得税」「住民税」

給与明細を見ると「所得税」・「住民税」という項目で給与から引かれている税金がありますが、意識する機会は意外に少ないかもしれません。

この2つの税金は似た要素を持ちながら、異なる部分もあります。

ここでは個人所得における「所得税」と「住民税」について整理していきます。

✓本記事の内容

・所得税・住民税とは?2つの違いは?
・所得税と住民税の計算方法
・控除とは

所得税・住民税とは?2つの違いは?


所得税と住民税は、「個人の1年の所得に対して掛けられる税金」です。

所得とは、、、

収入ー経費=所得

例えば、収入が20万円で経費が5万円だった場合、所得は15万円になります。

所得税と住民税は、この所得の金額に応じて納める税額が変わるという点は同じです。

しかし、「税金を納める先」「対象年度」が異なります。

所得税と住民税の違い

その①国税と地方税

まず、税金には納める先によって「国税」「地方税」にわかれます。

国税は国に納める税金で管轄しているのは税務署になります。

対して、

地方税は各都道府県や各市町村など、地方自治体に納めることになります。

所得税と住民税はそれぞれ以下にわかれます。

所得税=国税
住民税=地方税

納める先が異なるため、金額も別々に計算され別々に徴収されます。

その②対象年度

もう1つの違いが対象年度です。

所得税は、その年の1月から12月の所得から計算されるため、税額を決める所得額は年末にならないと確定されません。

企業に勤めている方は、毎月の給与から概算の金額が天引きされ会社が代わりに納付していますが、12月に会社が年末調整を行い正確な税額を調整します。

個人事業主など確定申告が必要な方は、翌年の2月16日から3月15日の間に一括納付する方もいます。

このように所得税がその年の所得額に応じて決定されるのに対し、

住民税前年の所得をもとに決定されます。

例えば、2020年に納める住民税は2019年の所得に応じて計算されます。

企業に勤めている方は可能性が低いですが、

例えば、プロ野球選手の年俸が、「5億円(2019年)→5000万円(2020年)」
に大幅減俸されたとしても、2020年は5億円に対しての住民税が収入5000万円の年に課されることになります。

その③税率

所得税は所得金額が大きくなるほど税率も高くなる「累進課税」が採用されていて、税率は5%~45%の範囲になります。

対して、住民税は一律10%です。これは、市町村民税が一律6%で都道府県税が一律4%の割合になっています。

このように所得税と住民税は納税先と課税対象所得の年度に違いがあります。

所得税住民税
納税先地方自治体
対象年度その年の所得前年の所得
税率累進課税一定

所得税と住民税の計算方法


自分の所得税と住民税はどれくらいなんだろう?

気になりますよね。

ここでは所得税と住民税の計算方法を解説します。

所得税の計算方法

まず、所得税は納税者の所得額に応じて段階的に税率が上昇していく「累進課税」です。

これは所得が高いほど税率が高くなるということです。

また、所得税は収入のすべてに対して課されるわけではなく、必要経費や所得控除などを差し引いた額で税額を計算します。

さらに、その税額から税率に応じて一定額が控除され、最終的な税額が決まります。

所得税=(1年間の収入ー経費や控除)× 所得に応じた税率ー税率に応じた控除

税率と税率に応じた控除額はこちらです。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え330万円以下10%97,500円
330万円を超え695万円以下20%427,500円
695万円を超え900万円以下23%636,000円
900万円を超え1800万円以下33%1,536,000円
1800万円を超え4000万円以下40%2,796,000円
4000万円超45%4,796,000円

*出典 国税庁 No.2260 所得税の税率

例えば「課税される所得金額」が7,000,000円の場合、税額は以下になります。

7,000,000円×0.23ー636,000円=974,000円

ちなみに企業に勤めている方は、個人事業主の方の経費にあたる「給与所得控除」という控除を受けることができます。

よって、

収入ー給与所得控除=所得金額

となります。

その他医療費控除などの控除もありますが、今回は省略します。

住民税の計算方法

住民税の特徴は所得金額にかかわらず税率が一律であることです。

また所得に応じて課税される「所得割」と定額で課される「均等割」を合算した額が住民税の金額になります。

そして、住民税にも所得税と同じように所得金額からの控除や税額からの控除があります。

住民税を簡単に計算式で表すと、

住民税=所得割+均等割

さらに詳しく計算式で表すと、

住民税=A(総所得金額−各種控除×都道府県の税率) +B(総所得金額−各種控除×市区町村の税率) +均等割−調整控除

と表すことができます。

住民税の額は地域によって異なるため、詳しい税額は各地域のホームページをご覧ください。

控除とは


所得税と住民税の計算で何度も出てきた「控除」とは何なのか。

控除とは、一定の額を差し引くことを指します。

所得税と住民税には個人個人の経済事情を税金の計算に反映させる制度が備わっており、以下の2つに分けられます。

2つの控除

①所得控除
②税額控除

所得控除とは

所得控除は、納税者の家族構成、保険料、医療費など経済事情に応じて所得から差し引くことができる制度で、2020年時点で15種類あります。

収入から以下にあるような控除額を差し引いた「課税所得金額」に対して、税率をかけて税額を求めるという流れです。

この控除額は所得税と住民税で異なるものもあるため注意が必要です。
所得控除一覧

雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、勤労学生控除、ひとり親控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除

税額控除とは

税額控除は、控除額がそのまま税額から差し引くことができる制度です。

税率をかけた後の税額から直接差し引くことができるため、所得控除よりも大きな効果があります。

税額控除の種類には様々なものがあります。

主な税額控除

配当控除、外国税額控除、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)など

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

所得税と住民税については理解できましたか??

所得税と住民税は、給与から天引きされたり、所得に応じて金額が決まったりと似た要素もありますが、税率や対象年度などに違いがあります。

どちらも一生付き合うことになる税金なので、概要や違いはしっかり理解しましょう!

ABOUT ME
ムツヲ
■20代前半会社員 ■AFP(日本FP協会認定会員)  2級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務) ■2021年3月から~「賢く生きる」お金の知識~をテーマに資産形成にまつわる内容をブログやSNSで発信 ■主に資産運用・節約・節税・保険などの記事を更新
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