こんにちは、FPブロガーのムツヲです。
2020年はコロナウイルスによって自宅での時間が増えた結果、投資や資産形成に興味を持ち実際に始め方も多くいました。
私もそのうちの1人です。
資産形成をしていくうえでお金を増やすことももちろん重要ですが、大前提として投資詐欺に遭いお金を減らさないことが大切です。
投資詐欺の手法として定番なのが「ポンジスキーム」と呼ばれる手法です。
では、ポンジスキームとはどんな投資詐欺なのか、どうすれば見分けられるのか。
この記事では、このポンジスキームの手口とポンジスキームの見分け方について解説します。
ポンジスキームの知識が頭の片隅にあることで、怪しい話が来た時に冷静に対応できるかもしれません。
・ポンジスキームとは
・ポンジスキームの見分け方
・投資詐欺に騙されないためには
ポンジスキームとは
ポンジスキームとは、「集めた資金を実際には運用せず、資金を切り崩したお金で配当金を装って還元する」詐欺手法です。
簡単に説明すると以下のような流れで行われます。
1.出資者を募り資金を集める
2.資金を切り崩し配当金を還元する
3.さらに出資者が増える
4.一定の資金が集まったら雲隠れする
ポンジスキームの流れ
より具体的に説明します。
まず、詐欺師は出資者5人に「高配当」や「月利~%」という儲け話を伝え、5人から1人100万円ずつ合計500万円集めます。
詐欺師はこの500万円を運用せず保有し、時期がきたら最初の約束通り配当を出します。
ここで、約束通り配当金がもらえたことで出資者の詐欺師への信頼が上がります。
しかし、実際には自分たちが出した出資金を切り崩して支払われているのです。
詐欺師からしたら、100万円のうち10万円を還元したとしても、90万円は残り5人分で450万円は手元に残ります。
さらに、元の出資者がより多くの金額を出資する、口コミで出資者が増え詐欺師の下にはより多くの資金が集まります。
そして、一定の金額が集まると詐欺師は逃亡し一切の連絡が取れなくなるのです。
ポンジスキームは昔からある詐欺手法
ポンジスキームには100年以上の歴史があると言われています。
似たような手法なのになぜ長い間使われる手法なのでしょうか。
それは、ポンジスキームが「騙されやすく捕まりにくい」詐欺手法だからです。
まず、騙されやすい理由は実際に配当金が支払われるからです。
詐欺師が雲隠れするまでは定期的に配当金が支払われるため、出資者はお金が増えていると錯覚してしまいます。
そして詐欺に気づくのは資金を持ち逃げされた後です。
この出資者を信用させる仕組みがポンジスキームに騙されやすい理由です。
ポンジスキームがやっかいなのは捕まりにくい点もあります。
捕まりにくい理由は、詐欺を証明するのが難しいからです。
そもそも投資にはリスクがあるため、運用の失敗なのか詐欺なのかを判断するのが難しくなってしまいます。
さらに、途中までは約束通り配当金を出しているため、出資中も詐欺と断定するのが難しいです。
ポンジスキームはこの騙されやすく捕まりにくい仕組みで100年以上の長い間人々をだましてきました。
ポンジスキームの見分け方
では、騙されやすいポンジスキームをどう見分ければいいのでしょうか。
そのためには、ポンジスキームの特徴を知ることが重要です。
①高配当や高利回り
②元本保証
③ここにしかない儲け話
④すぐに出金できない
これらに当てはまる話が来たときはポンジスキームの可能性が高いです。
以下で詳しく解説します。
①高配当や高利回り
ポンジスキームの流れでも解説しましたが、ポンジスキームは年利50%や月利10%のような高利回りの商品が多いです。
次の章でも解説しますが、株式投資の相場は年利3~7%と言われている中で、ポンジスキームは現実味のない利回りです。
そのため、通常ではありえない利回りの商品を紹介されて場合はポンジスキームの可能性が高いです。
②元本保証
投資にはリスクが必ずあります。
銀行預金もリスクがないと思われがちですが、銀行の倒産のリスクがあります。
また、基本的にリスクとリターンは比例するため、よりリターンを求めるにはよりリスクをとる必要があります。
リスクとリターンの関係についてはこちらの記事で解説しています。
このようにあらゆる投資にリスクがある中で、元本保証(=無リスク)で高配当(=高リターン)というのはあり得ません。
つまり、リスクとリターンが比例していない商品には十分に注意しましょう。
③ここにしかない儲け話
ポンジスキームは公にならないところで行われるため、ここにしかない儲け話や自分に向けられた商品だと思ってしまいます。
しかし、そんなことは絶対にありません。
もしそのようなあなたにしかない投資話があると言われたら、確実に裏があるという前提で対応しましょう。
④すぐに出金できない
出資したお金の出金に制限がある場合もポンジスキームである可能性が高いです。
ただし、このブログでも解説している「iDeCo」や「企業型DC」、「定期預金」などは決められた期間で出金に制限があるため、全てが疑わしいというわけではありません。
これらの特徴に当てはまる場合、全てがポンジスキームとは限りませんが、一度立ち止まって冷静に考えることは重要です。
投資詐欺に騙されないためには
ポンジスキームの特徴について解説しましたが、他にも投資詐欺は存在します。
ここでは、投資詐欺に騙されないためのポイントについて解説します。
①投資の相場を知る
②リスクとリターンの関係を理解する
③公募の商品を選ぶ
以下で詳しく解説します。
①投資の相場を知る
投資詐欺に遭わないためのポイント1つ目は、投資の相場を知ることです。
先ほどのポンジスキームの特徴でも解説しましたが、株式投資の年利は3~7%と言われています。
ちなみに投資の神様と呼ばれる「ウォーレンバフェット」は平均利回り20%を叩き出しています。
しかし、逆に言えば投資の神様でも1年に平均20%のリターンだということです。
(出典:幻冬舎 GOLD ONLINE)
投資の神様が年利20%なのに、年利40%の商品はおかしいですよね。
このように投資の相場を把握しておくことで、投資詐欺の利回りの高さに気づくことができます。
つまり、投資詐欺に騙されないためには正しい投資の相場を把握することが需要です。
②リスクとリターンの関係を理解する
投資詐欺に遭わないためのポイント2つ目は、リスクとリターンの関係を理解することです。
こちらの記事で詳しく解説していますが、リスクとリターンは比例します。
普通預金や定期預金のようにリスクの低い金融商品はリターンも低く、ほとんど増えることはありません。
逆にビットコインに代表される仮想通貨は1年で何倍にもなる可能性がある一方、価格が大きく下落する可能性もあります。
このように基本的にリスクとリターンは比例するため、このバランスを無視した商品には手を出さないことが重要です。
③公募の商品を選ぶ
投資詐欺に遭わないためのポイント3つ目は、公募商品を選ぶことです。
公募とは、対象者を限定せず証券会社などで扱われている商品です。
逆に私募とは、対象者が限られていて証券会社などで売られていない商品です。
この私募の商品を避け公募されている商品を選びましょう。
ハッキリ断言しますが、本当に優良な商品はわざわざ出資者を募らなくても資金が集まります。
例えば世界最大のETF(上場投資信託)の「SPDR S&P500 ETF:SPY」は純資産額が40兆円を超えています。
世界中の機関投資家や個人投資家がこのような優良な公募商品に投資をしている中で、
私募の怪しい商品に手を出す理由はありません。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
世の中には様々な投資詐欺がありますが、ポンジスキームの特徴や投資について正しく理解しておくことでだまされる確率を下げることができます。
資産運用において増やすことも大事ですが、一番は貯めた・増やした資産を守ることです。
着実な資産形成のために引き続き学んでいきましょう。